三味線の豆知識

三味線の皮

三味線の皮 三味線の皮の種類は、
猫皮(よつかわ)、犬皮(けんぴ)、合成皮の三種類です(現在はカンガルー、羊などが使われる例もあります)。

皮は餅米の粉のような物をねったもので、胴に貼り付けます。
皮が破けるギリギリのところまで、引っ張り、貼り付けるのが、良い音のする三味線の秘けつで、少しでも引っ張りが甘いと、音が悪くなります。
そして、ほぼ限界まで引っ張るため、とても破けやすく、糊は水溶性のために湿気で糊が弛み、簡単に剥がれてしまいます。
また良い音の持続は通常で二年間が限度です。
ちなみに糊は餅米から作られます。
猫皮
三味線と言ったら、やはり猫の皮。猫のお腹の皮を使います。
一匹で一丁分しかとれません。
非常に高価ですが、一般には、舞台用に使われる事が多くその音は皮が薄いので「鈴」を転がしたような音です。
犬皮
犬の背中の皮を使うため、一匹で数丁分とれます。
猫の皮に比べ音は硬く、少しでも皮が延びて弛むとボコボコした音になる。
一般的には、稽古に使われることが多いようです。
しかし、最近の舞台の音響設備の場合、犬皮の方が音が通り、良い場合がある。
カンガルー皮
そもそもの個体が大きいため、一匹でそれなりの皮が取れます。
犬の皮に比べ滑らかで、音も響きやすい材質です。
まだ浸透度も低く、受注することも少ないですが、今後動物愛護などの関係から主流になることも考えられます。
合成皮
破けやすく、とても日頃の管理が難しい従来の三味線の皮に対して、多くの方からのリクエストと動物愛護より、破けない皮という名目で1980年代に登場。
しかしながら、現実には熱に対して天然皮よりも極端に弱く、その品質の改良は今後の大きな課題であり、音もそれなりという状況。
またニーズが少ないので皮の単価が犬皮に比べ、割高ということも問題である。